DSD音源の基礎知識

 

前述の通り、高品位音源がどんどん登場するようになってきたのですが、それに併せてPCで高品位音楽を楽しむためのハードウェア、ソフトウェアの環境も整ってきています。最近ではDSD形式での配信もスタートしています。

 

ただ、こうした用語は多くの人にとってまだあまりわからないものです。そこで初心者にもわかるPCオーディオの基本知識を解説していく必要があるわけです。

 

まずはDSDという言葉ですが、これは「Direct Stream Digital・ダイレクト・ストリーム・デジタル」の略称です。音声をデジタル化する方式のうちのひとつであり、特徴は、細かい音のニュアンスまで忠実に再現するために開発されたという点です。

 

普通のCDのPCM方式とはまったく異なる1bitレコーディング形式であり、そのサンプリング周波数は2.8224MHzということで、CD(44.1kHz)の何と64倍にもなります。楽器や声、会場の空気までが蘇るような音質で、言ってみればアナログ・レコードの滑らかさと、デジタルの透明度を両方併せ持った感じです。

 

実はDSDは以前からあったのです。それはスーパーオーディオCDに採用されているデジタル音声の記録技術だからです。録音現場では、クラシックやジャズなど特に音質を重視する録音に最適なのでDSD記録がそれなりに普及したのですが、一報のスーパーオーディオCDについてはなかなか普及しなかったのです。それはスーパーオーディオCDは、普通のPC用のドライブでは読み込みできないディスクであり、リッピングしてDSD音源を手に入れられるわけでもなかったからです。